ヤンソンス&ラン・ラン「ジルヴェスター・コンサート2018」 New Year's Eve Concert from Munich - Mariss Jansons & Lang Lang 

コンサート

  • 1時間20分

2019年に生涯を閉じた現代の巨匠マリス・ヤンソンスが、その前年の大晦日に手兵バイエルン放送交響楽団とともに開いた、なんともあたたかいガラ・コンサート。

2019年に生涯を閉じた現代の巨匠マリス・ヤンソンスが、その前年の大晦日に手兵バイエルン放送交響楽団とともに開いた、なんともあたたかいガラ・コンサート  2019年11月30日(日本時間12月1日)。現代を代表する指揮者マリス・ヤンソンスの訃報が世界中を駆け巡りました。多くのメディアが伝えたこの悲しいニュースの発信元のひとつがミュンヘンのバイエルン放送交響楽団でした(ただし、オーケストラは「12月1日没」と発表しています)。ヤンソンスが2003年から首席指揮者を務めていたドイツの名門です。番組では、亡くなる前年の2018年12月31日、大晦日にオーケストラの本拠ヘラクレスザールで行なわれたニューイヤー・イヴ・ガラ・コンサートの模様をお届けします。  大晦日のジルヴェスター・コンサートは毎年世界中で数多く開かれていますが、バイエルン放送交響楽団にとってはこれが初めての試みでした。その記念すべき第1回目の祝祭コンサートに首席指揮者ヤンソンスが選んだのは音楽の世界旅行。(アンコールを除く)全12曲は、ヨーロッパからアメリカ、アジアまで、一曲一曲すべて異なる国々の作曲家の作品で構成された楽しいプログラムになっています。  まず最初は、このコンサートのあった2018年がメモリアル・イヤーの二人の作曲家の作品から始まります。生誕100年のアメリカのレナード・バーンスタイン『キャンディード』と、没後100年のフランスのクロード・ドビュッシー『月の光』。児童劇のために書かれたイギリスのエドワード・エルガーの『野生の熊』は楽しい音楽。フィンランドのジャン・シベリウスの仄暗い『悲しきワルツ』とチェコのアントニン・ドヴォルザーク『スラヴ舞曲集』に続いて、腱鞘炎による1年以上の休養を経てこの年にカムバックしたピアニストのラン・ランが登場(この年の秋に、ウィーン・フィルとともに日本にも来ていました)。オーストリアのヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのピアノ協奏曲第21番から夢見るような第2楽章アンダンテと、20世紀前半の、中国初の西洋クラシック音楽の作曲家の一人、?星海の代表作『黄河協奏曲』を披露します。大きな拍手を受けてポーランドのフレデリック・ショパンの『華麗なる大円舞曲』をじつに洒脱にアンコール。日本色豊かな外山雄三のバレエ曲『幽玄』。その勇壮な和太鼓の連打とは対照的な旋律美の、イタリアのピエトロ・マスカーニの『カヴァレリア・ルスティカーナ』が心を洗うようです。コンサートは一気に終盤へ。ドイツのヨハネス・ブラームスのハンガリー舞曲集第5番とスペインのルペルト・チャピのサルスエラ『人騒がせな娘』で民族色をカラフルに描き出したあとは、ハンガリーのジェルジュ・リゲティによる『ルーマニア協奏曲』。お祭りコンサートの最後がリゲティなんて、カッコ良すぎます。アンコールも、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーの『眠りの森の美女』の『パノラマ』と、ヨハン・シュトラウス IIの『愛の便り』と、ありきたりでない選曲。シュトラウスのギャロップは2006年のウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートでも演奏していました。お気に入りの曲のひとつだったのでしょう。  ゆく年を送る祝典ですので、若干の照明なども用いていますが、けっして華美ではなくじつに落ち着いた演出。古都ミュンヘンらしい、人の心が通うあたたかい雰囲気のコンサートです。  年が明けて2019年。10月から11月にかけて、ヤンソンスはこのバイエルン放送交響楽団とともにヨーロッパ7都市とニューヨークを巡る演奏旅行に出かけました。しかし体調不良のため、ヨーロッパ公演のうち後半の3公演をダニエル・ハーディングが代演。アメリカに渡ってニューヨーク・カーネギーホールでの2公演のうち、1日目は指揮したものの、腕が上げられないほど体調が悪かったということで、2日目は代役のヴァシリー・ペトレンコが指揮台に立ちました。そのあと11月後半に予定されていた日本公演を含むアジア・ツアーも降板。さらにウィーン・フィルへの客演もキャンセルし、代役としてヤクブ・フルシャがウィーン・フィル・デビューを果たしたのを見届けるように、ヤンソンスはサンクトペテルブルクの自宅で76歳の生涯を閉じたのでした。最後に指揮したのが現役の首席指揮者を務めるバイエルン放送交響楽団だったことには、不思議な絆も感じます。  このコンサート映像を見ていても、ヤンソンス自身が、独奏者のラン・ランやオーケストラのメンバーが、そして客席の聴衆たちが、じつに柔和で穏やかな笑顔を浮かべていることが、作品や奏者に優しく自然に寄り添う彼の音楽の特徴を、ありありと物語るようです。冥福を祈ります。 [指揮]マリス・ヤンソンス [演奏]バイエルン放送交響楽団、ラン・ラン(ピアノ) [曲目] レナード・バーンスタイン:『キャンディード』序曲 クロード・ドビュッシー:月の光(レオポルド・ストコフスキー編曲) エドワード・エルガー:付随音楽『子供の魔法の杖』Op.1より~野生の熊 ジャン・シベリウス:悲しきワルツOp.44 アントニン・ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集第7番(第15番)ハ長調Op.72-7 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467より~第2楽章アンダンテ ?星海:黄河協奏曲(1939年)より~第2楽章黄河賛歌 フレデリック・ショパン:華麗なる大円舞曲変ホ長調Op.18(ソリスト・アンコール) 外山雄三:バレエ組曲『幽玄』より~男たちの踊り ピエトロ・マスカーニ:歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』間奏曲 ヨハネス・ブラームス:ハンガリー舞曲集第5番ト短調(アルバート・パーロウ編曲) ルペルト・チャピ:サルスエラ『人騒がせな娘』前奏曲 ジェルジュ・リゲティ:ルーマニア協奏曲より~第4楽章 (アンコール) ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー:バレエ音楽『眠りの森の美女』より~パノラマ ヨハン・シュトラウス II:ギャロップ『愛の便り』 [収録]2018年12月31日、ミュンヘン、ヘラクレスザール(ライヴ) [映像監督]エリーザベト・マルツァー ■1時間50分(番組枠)

放送日時

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