ホフマン&セリグ『ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第2番』 BEETHOVEN, THE COMPLETE CELLO SONATAS - single sonatas 2

コンサート

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チェロのゲイリー・ホフマンが、一晩でベートーヴェンのチェロ・ソナタ全曲に挑む。誠実で緻密な解釈で、懐深い名演を実現。ピアノの技巧も光る第2番。  2020年はベートーヴェン生誕250周年のアニバーサリーで、多くのベートーヴェン演奏、録音、録画に触れられるはず。その中でも渋い存在感を放つ番組が、2019年5月、ベルギーのエリザベート王妃音楽院で、チェロ・ソナタ全5曲を一晩で弾ききった公演映像です。  チェロのゲイリー・ホフマンは、欧米で高い評価を得ているカナダ出身の奏者。1986年にはパリのロストロポーヴィチ国際チェロ・コンクールで優勝するなど、華々しい経歴をもつ名手です。しかし彼は技巧をひけらかすことなく、地道に作品と楽器と向き合い、堅実に誠実に演奏活動を継続してきました。そのことはこのベートーヴェンでもよくわかります。ピアノのデイヴィッド・セリグはオーストラリア出身、やはり欧米で堅実な活動を繰り広げていて、ホフマンと共に録音も残しています。気心知れた二人のデュオはほとんど対話という趣で、アマティのチェロとベーゼンドルファーのピアノのきめ細かく深い音色がその空気をさらに深めます。彼らの名技は冴え、技術的には完璧に近く、ライヴらしい熱気も十分ですが、最後に印象に残るのは丁寧さと誠実さ。デュオの理想的な姿のひとつと言えるでしょう。技巧を前面に出す派手な演奏ではなく、じっくり聴きこめる演奏で楽聖のチェロ・ソナタの深みを味わいたい方にこそお薦めの映像です。  2曲セットで作られた第1番と第2番は、1796年というハイドン存命中の作品ながら、ベートーヴェンらしく強烈な個性を押し出して、先達とは全く違うものを作るという気迫がみなぎる名作です。5曲の中で唯一の短調である第2番は、前作の第1番と同じくふたつの長い楽章で構成されますが、暗く思索的な第1楽章の序奏は、単独の楽章と言えるほどの規模を持ちます。主部は暗い情熱に光も見える充実の音楽で、ピアノの技巧も光ります。第2楽章は一転して明るいロンドで、変化に富んだ音楽を二人の熱演と名技で楽しめます。 [演目] ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第2番ト短調Op.5-2 [チェロ]ゲイリー・ホフマン[ピアノ]デイヴィッド・セリグ[収録]2019年5月2日エリザベート王妃音楽院(ワーテルロー)[映像監督]フレデリック・デレスク ■40分(番組枠)

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