ノーザン・バレエ『ジョージ・オーウェルの1984』 1984

バレエ

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名作古典SFがバレエ化!今話題の振付師ジョナサン・ワトキンスとノーザン・バレエによる、演劇とバレエの融合が現代のリアルを描き出す。 英国5大バレエの中でもひときわ個性的なカンパニー、ノーザン・バレエが2016年に上演したのが、映画化もされたジョージ・オーウェルの近未来古典SFの名作『1984』。元英国ロイヤル・バレエのダンサーで今話題の振付家ジョナサン・ワトキンスと、トニー賞候補にもなった作曲家アレックス・バラナウスキらは、1949年に刊行され、さまざまな分野に強い影響を与えたこの作品に新たな生命を吹き込み、唯一無二のバレエ作品へと昇華させました。演劇とバレエ、音楽、そして舞台装置が融合した、リアルと抽象のバランスは、さすがシェイクスピアを生んだ国のバレエ・カンパニーと思わせます。 すべてが監視され(舞台の背後には大きな2つの目が…)、管理統制された社会で人々は無表情、機械のように生きています。そうした時代にあって、役人の一人ウィンストンは古道具屋で見つけたノートに自らの思いを綴り、現体制への疑心を募らせていました(これは重大な禁止行為)。彼は同僚の女性ジュリアから手紙をもらい、自由を希求する二人は愛し合うようになります。彼らは古道具屋に隠れ住んで愛を育み、ウィンストンはますます反抗心を大きくしていきますが、味方のように思えた高級官僚オブライエンにスパイされていて…捕まる二人。「101号」と呼ばれる強化室に送られるウィンストン。そして待ち受ける、戦慄のラスト…。 グレーの制服を着た役人の集団が無機的で攻撃的な踊りをするシーン(HATEという文字も見えます)の数度にわたるシークエンスの中、ウィンストン役のトビアス・バトレイとジュリア役のマーサ・リーボルトが下着姿で激しく愛し合う、熱い血を感じさせるダンスは私たちの胸を強く揺さぶり、人間味を喪失した集団ダンスとのコントラストが際立ちます。そしてこのコントラストに心を動かされるとき、私たちはこの作品が、書かれた当時の全体主義や共産主義への批判であっただけではなく、現代の自分たちにとっても実はリアルなことに気づかされるのです。 [出演]トビアス・バトレイ(ウィンストン・スミス)マーサ・リーボルト(ジュリア)ジャヴィア・トレス(オブライエン)高橋宏尚(チャリントン氏)ジュリアーノ・コンタディーニ(パーソンズ)アシュレイ・ディクソン(マーティン)ケヴィン・ペン(アンプルフォース)ヴィクトリア・シブソン(リード・プロレ)ノーザン・バレエ団 [振付]ジョナサン・ワトキンス[音楽]アレックス・バラノフスキ[原作]ジョージ・オーウェルの小説『1984』[装置&衣裳]サイモン・ドー[照明]クリス・デイヴィー[ビデオ]アンジェイ・グールディング[ドラマトゥルギー]ルース・リトル[指揮]ジョン・プライス=ジョーンズ[演奏]ノーザン・バレエ・シンフォニア管弦楽団[収録]2016年5月24日~28日サドラーズ・ウェルズ劇場(ロンドン)[映像監督]ロス・マクギボン ■字幕/全2幕:約1時間30分

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