ウルバンスキ&NDRエルプフィル「ホルストとウィリアムズ」 KRZYSZTOF URBANSKI CONDUCTS HOLST AND WILLIAMS AT THE ELBPHILHARMONIE HAMBURG

配信終了:2020年03月24日 23:59

コンサート

  • 1時間55分
  • 2018
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もはやオーケストラ音楽の新定番『スター・ウォーズ』と、元祖「スペース組曲」の『惑星』。ハンブルクの新名所エルプフィルハーモニーに宇宙が響く!  2019年12月、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が公開され、ジョージ・ルーカスが最初に構想していた『スター・ウォーズ』シリーズ全9部作が完結しました(すでに、さらなる続編の製作も発表されています)。映画史を変えた名作であるのはもちろんですが、ジョン・ウィリアムズによるフル・オーケストラによるサウンド・トラックは、クラシック・ファンの心も躍らせる、時代を超えた名曲として定着しています。若き俊英指揮者クシシュトフ・ウルバンスキは、首席客演指揮者を務めるNDRエルプフィルハーモニー管弦楽団で、その新たな定番名曲と、「元祖宇宙組曲」とも言えるホルストの『惑星』を並べて聴き比べるプログラムを組みました。つまり「エイリアンのためのロマン主義」(当日の配布プログラム冊子より)。コンサートのライヴ映像をお楽しみください。  コンサートが行なわれたのは2018年5月。日本と同じく、ドイツ語圏の国々で『スター・ウォーズ』第1作(エピソード4)が公開されたのは、アメリカ公開の翌年1978年でしたから、ちょうど40周年に当たる年でした。ウルバンスキはこの宇宙プログラムがお気に入りらしく、同じ年の2月に手兵のひとつトロンハイム交響楽団でも演奏しています。  グスターヴ・ホルストの『惑星』を聴いて『スター・ウォーズ』を思い浮かべた方は少なくないでしょう(もちろん順番はホルストが先なわけですが)。「帝国のマーチ」には、ホルストの「火星」がたしかに響いているようにも感じます。  『ジョーズ』(1975年)でアカデミー賞を受賞したばかりだった作曲家ジョン・ウィリアムズと音楽の相談を始めたとき、ルーカスは最初、既存のクラシック音楽を使うことを提案していました。『2001年宇宙の旅』のように。それをオリジナルの音楽で作ることに変更し、しかもハリウッドのスタジオ・ミュージシャンでなく、クラシック専門のシンフォニー・オーケストラで演奏することにしたのはウィリアムズのアイディアです。そうして完成したサウンド・トラックはワーグナーばりのライトモティーフ(示導動機)を用いて登場人物のキャラクターがはっきりと示されており、結果的にどんどん拡大していくことになる長大な物語を、観客が理解するためにも大きな役割を果たしています。  サウンド・トラックはロンドン交響楽団により録音されましたが、これは当時の首席指揮者アンドレ・プレヴィン(1929~2019)がウィリアムズの友人だったことに加えて、映画本編が、予算上の都合もあってロンドンのスタジオで撮影されていたことも関係していました。ちなみにこのコンサートでも演奏されているジャズ・バンド編成による「酒場のバンド Cantina Band」は、ウィリアムズが最初にサンプルとして提出したスコアで、それをいたく気に入ったルーカスが、この音楽を使うために挿入したのが、ルークとハン・ソロが出会うエイリアン酒場のシーンでした。歴史上、この世に初めて生まれた『スター・ウォーズ』の音楽があの曲なのです。  『惑星』と『スター・ウォーズ』を並べて組み合わせること自体は、たとえばズービン・メータにもロサンゼルス・フィルハーモニックとの録音があるように、さほど珍しいアイディアではないかもしれません。このコンサートで独自なのは、ウルバンスキ自身が編曲に加わった、『スター・ウォーズ』の新たな組曲でしょう。いずれも1977~83年公開の『スター・ウォーズ』旧三部作(オリジナル・トリロジー)から採られた選曲は、正統版ともいえるジョン・ウィリアム自身が編んだ組曲とは異なる楽曲構成になっています。  このプログラムのコンサートが盛り上がらないはずはありません。最後の一音が鳴り止むと同時に客席は口笛も飛ぶ大歓声。おそらくあらかじめ用意はしていなかったのでしょう。アンコールはウルバンスキがその場でオーケストラに何やら呼びかけて、『スター・ウォーズ』メイン・テーマの途中から演奏し、会場をさらなる熱狂に包み込んでいます。  2013~16年に東京交響楽団の首席客演指揮者を務めて日本でも名前の浸透しているクシシュトフ・ウルバンスキは、1982年ポーランド中央部のパビアニーチェ生まれ。ワルシャワのフレデリック・ショパン音楽アカデミー(ショパン音楽院)で祖国の先輩指揮者アントニ・ヴィトに師事し、2007年のプラハの春国際音楽コンクール指揮部門で優勝。ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団の副指揮者を務めたあと、上述の東響のほか、トロンハイム交響楽団首席指揮者(2010~17年、2017年から名誉客演指揮者)、インディアナポリス交響楽団音楽監督(2011年~現在)を歴任。NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団では2015年から首席客演指揮者を務めています。東響では、最初の客演のあとに、楽員から強い要望が沸き起こって急遽契約を結んだというほど。現在最も注目すべき指揮者の一人です。  コンサートの会場はハンブルクのエルベ河畔に2017年に開場したエルプフィルハーモニー。日本の豊田泰久氏が音響設計を手がけた世界有数のコンサートホールは、すでにハンブルクの新たなランドマークとして親しまれています。 [演目]グスターヴ・ホルスト:組曲『惑星』 1. 火星(戦争をもたらす者) 2. 金星(平和をもたらす者) 3. 水星(翼のある使者) 4. 木星(快楽をもたらす者) 5. 土星(老いをもたらす者) 6. 天王星(魔術師) 7. 海王星(神秘主義者) ジョン・ウィリアムズ:『スター・ウォーズ』組曲 1. メイン・タイトル 2. ルークとレイア 3. アステロイド・フィールド 4. 帝国のマーチ(ダース・ベイダーのテーマ) 5. 酒場のバンド 6. 森林での戦い 7. 王座の間とエンド・タイトル ジョン・ウィリアムズ:『スター・ウォーズ』メイン・タイトル抜粋 [指揮]クシシュトフ・ウルバンスキ [演奏]NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団(旧北ドイツ放送交響楽団) [合唱]アルノルト・シェーンベルク合唱団女声部[合唱指揮]エルヴィン・オルトナー、ロジャー・ディアス=カハマルカ [収録]2018年5月、ハンブルク、エルプフィルハーモニー(ライヴ) [映像監督]アレクサンドル・ラドゥレスク ■1時間55分(番組枠)

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