メータ&ウィーン・フィル2016「ブッフビンダーを迎えて」 Zubin Mehta and Rudolf Buchbinder perform Brahms

配信終了:2020年12月07日 23:59

バレエ

  • 1時間32分
  • 2016
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なんとも芳しく、ダイナミック!巨匠メータが引き出すウィーン・フィル本来の豊麗なサウンドによるブラームス、そして彼らが独自にとらえたフランスの傑作2題。 楽都ウィーンの爛熟した文化を体現する天下のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(VPO)を、彼らとの共演歴も長く、信頼の厚い現代最高の巨匠の一人、ズービン・メータが指揮するとなれば、その演奏会の成功は間違いなし。さらにウィーンを代表する名匠ピアニスト、ブッフビンダーとのブラームス「ピアノ協奏曲第1番」となれば、それは尚更です。 冒頭からメータ&VPOならではの音の豊麗さに加え、高い緊張感を保った演奏で、その中でブッフビンダーは半ば無造作にソロを始めます。淡々とした歩みでありながら、ここぞというフレーズや和音をぐっと深く、また高らかに聴かせる構成感はまさに名匠の技。引きの映像のとき、ピアニストをじっと見つめるVPOメンバーたちの敬意に満ちた表情も印象深いものがあります。吹きすさぶ疾風怒濤の暗い情熱と、切実な憧れに満ちた甘美なロマンティシズムの結合――これこそブラームスの青春の1曲と思わせる演奏です。 後半は打って変わってフランスの傑作2題。ドビュッシーの『海』では、VPOの管楽器の華やかさや低弦の豊かさ、メータの指揮の豪放さによって、フランスのオーケストラとは違った厚い油絵的な響き。とはいえ、ドビュッシーの音楽の特質を裏切ることなく、陽光にきらめく海や、風に戯れる波の描写は美しく、圧倒されます。 一方、「ラ・ヴァルス」は、ラヴェルがウィンナ・ワルツを讃え、憧れをもって書いた曲なのでVPOにはぴったりな選曲です。もっともドビュッシーのときと同様、ぐっとVPOに寄せた演奏。夢のような陶酔の中、ワルツはどんどんボルテージを上げ、やがて崩壊する――それは爛熟の文化の行きつく先か、はたまた戦争の影か……。官能的な音とダイナミズムで楽曲の真実に迫る演奏はさすがVPO。ベテラン、中堅、若手のバランスがよく、精妙と豊かな味わいを兼ね備えた近年のVPOの充実が確かめられることでしょう。 [演目]ヨハネス・ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調Op.15、クロード・ドビュッシー:交響詩『海』-3つの交響的エスキス、モーリス・ラヴェル:ラ・ヴァルス [指揮]ズービン・メータ [演奏]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ルドルフ・ブッフビンダー(ピアノ) [収録]2016年9月 ムジークフェラインザール(ウィーン) [映像監督]ディック・カイス ■約1時間32分

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