バーンスタインのワーグナー『トリスタンとイゾルデ』第2幕 Tristan und Isolde

配信終了:2020年05月04日 23:59

オペラ

  • 1時間35分
  • 1981
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バーンスタイン生誕100年を機に、あの伝説の名演がついに!1981年に一幕ずつ3回に分けて入念に上演された渾身のワーグナー『トリスタンとイゾルデ』、その第2幕。 レナード・バーンスタイン(1918-1990)の『トリスタンとイゾルデ』といえば、クラシック・レコード史に燦然と輝く名演であり、彼が全曲を演奏した唯一のワーグナーのオペラです。1981年、ミュンヘンのヘラクレスザールで、1月・4月・11月に1幕ずつ、3回に分けて演奏会形式で上演して録音。全曲盤としてフィリップス・レーベルから発売され絶賛を得ました。日本でも1984年度のレコード・アカデミー賞大賞を受賞しています。長くその録音だけで伝えられてきた伝説の名演ですが、バーンスタイン生誕100年を迎えた2018年、上演時のテレビ中継が映像化され、大きな話題を呼んだ貴重映像、その第2幕です。 オーケストラの背後の空間で歌う歌手たちは簡素な衣裳をまとっており、小道具も目立った動きの演出もないシンプルな演奏会形式の上演は、観る者をひたすら音楽に集中させます。ここでのバーンスタインの音楽づくりの最大の特徴は、止まってしまうかのような遅いテンポ設定。しかし、バーンスタインがいつもそうであるように、それは奇を衒った恣意的なデフォルメではなく、スコアを読み込んだ、合理的かつ説得力のある解釈となって、聴くものの心を鷲?みにします。 トリスタン役は、1976年にバイロイト音楽祭デビューを果たした絶頂期のペーター・ホフマン。1970~80年代を代表するヘルデンテノールが、その神々しい美声を聴かせます。イゾルデ役にはヒルデガルト・ベーレンス。ヘルベルト・フォン・カラヤンに見出されて1977年ザルツブルク音楽祭の『サロメ』でセンセーショナルな成功を収めてまもないライジング・スターでした。清らかな声の丁寧な歌いぶりが印象的です。最後の「愛の死」を、この遅いテンポの中でドラマとしての緊張感を持続したまま歌いきるのは、なかなかできることではありません。 全3幕を数ヶ月おきに1幕ずつ上演して録音するという、レコード制作を目的としたプランならではの発想は、練習に割ける時間や歌手たちの体力を考えても実に理想的。 ユダヤ人であるバーンスタインが、ナチ発祥の地であるミュンヘンでワーグナーを演奏することは、バーンスタイン自身の特別な意思の有無にかかわらず、少なからず意味を持って迎えられたはずです。ちなみに、ズービン・メータがイスラエル・フィルのコンサートで『トリスタンとイゾルデ』の前奏曲を演奏して客席が怒号渦巻く大混乱となったあの「事件」は、この上演と同じ1981年のことでした。1972年ミュンヘン・オリンピックでのパレスチナ・ゲリラによるイスラエル選手襲撃テロの記憶もまだまだ生々しかったはずです。しかしバーンスタインは、「音楽の歴史における中心的な存在。車輪の心棒」と位置づけるこの作品に、若い頃から魅了されており、コンサートやテレビ番組で部分的に演奏し、ヴィーラント・ワーグナーとバイロイト音楽祭での上演計画を立てたことさえあると言われます。つまり長年の念願がかなっての上演が、このミュンヘンでのプロダクションでした。指揮をするバーンスタインの表情からも、そんな情熱や気迫が、ありありと伝わってきます。 [出演]ペーター・ホフマン(トリスタン/テノール)ヒルデガルト・ベーレンス(イゾルデ/ソプラノ)イヴォンヌ・ミントン(ブランゲーネ/メゾ・ソプラノ)ベルント・ヴァイクル(クルヴェナール/バリトン)ハンス・ゾーティン(マルケ王/バス)ヘリベルト・シュタインバッハ(メロート/テノール) [演目]リヒャルト・ワーグナー:3幕の楽劇『トリスタンとイゾルデ』第2幕(演奏会形式)[台本]リヒャルト・ワーグナー[指揮]レナード・バーンスタイン[演奏]バイエルン放送交響楽団[装置&衣裳]ゲルト・クラウス[収録]1981年4月27日ヘラクレスザール(ミュンヘン)[映像監督]カールハインツ・フンドルフ ■字幕/約1時間35分

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