グリゴリー・ソコロフ「トリノ・リサイタル2017」 Grigory Sokolov Live in Italy

配信開始:2020年04月27日 06:00

コンサート

  • 2時間25分
  • 2017
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現代最高、幻のピアニストの貴重なライヴ! 結晶化したとびきり美しいタッチが、深遠広大な宇宙を創造する 現代最高の演奏家の一人、“幻の”ピアニストといわれるグレゴリー・ソコロフ。1950年サンクトペテルブルク生まれのソコロフは、1966年にチャイコフスキー国際コンクールで優勝したものの、ソ連時代にあって国外での演奏機会がほとんどなく、彼の真価が知れわたるようになったのは、この20年ほどではないでしょうか。今やこの孤高の巨匠こそ本物中の本物と絶賛するファンが世界中に数知れず、彼のリサイタルを聴きに遠い国から駆けつけるファンもいるほど。当番組は、そんなソコロフのピアノを堪能できる、イタリアでの貴重なライヴです。 この日のプログラムはモーツァルトのハ長調ソナタK.545、ハ短調の幻想曲K.475、そしてソナタK.457。そしてベートーヴェンの第27番と生涯最後の第32番という、2楽章形式のソナタの組み合わせです。すべての演奏において、ソコロフは雰囲気で弾いたり、ケレンに走ったりすることは一切なく、正確無比のテクニックを駆使し、ひたすらその美しい音だけでシンプルに造型、厳しく曲を彫琢していきます。 それにしてもなんというピアニズムでしょうか。その次元の高さは耳を疑うほどです。 彼のとびきり美しいタッチ――凝縮しきった結晶のような音で弾かれるモーツァルトはまさに純粋無垢で、極度の美しさのなかに悲しみが宿っているかのよう。そしてハ長調からハ短調の曲への移行は天国から地獄へ連れて来られたかのような落差で、張り詰めた緊張感のなか、心臓の音が聴こえそうな静寂から、張り裂けんばかりの劇的なアレグロまで、感傷なき孤独な魂の劇が聴こえてきます。 そして、ベートーヴェンではより人間的なドラマを描いています。第27番の第1楽章の悲愴感と、夢と希望が空の彼方へ飛翔していくような第2楽章、そして最後のソナタの厳しく劇的な第1楽章と、内省的で冬の星空のように澄んで静かに広がる第2楽章の鮮やかな対比は聴きもの。後者のソナタの終わり近く、高音域のトリルはまるで宇宙に響き渡る鐘の音のよう。 アンコールのさまざまな曲におけるピアニズムも絶品。これほどの品位と奥深さを備えたピアノがほかのどこで聴けるでしょうか。終演後、ファンにサインをするソコロフの優しい笑顔が、演奏中とは対照的で、これもまた感慨を誘います。 [演奏]グレゴリー・ソコロフ(ピアノ) [演目] ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:ピアノ・ソナタ第15番 ハ長調 K.545、幻想曲 ハ短調 K.475、ピアノ・ソナタ第14番 ハ短調 K.457 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調 Op.90、ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111 [アンコール] フランツ・シューベルト:「楽興の時」D780から第1番ハ長調 フレデリック・ショパン:ノクターン ロ長調 Op.32-1、変イ長調 Op.32-2 ジャン=フィリップ・ラモー:『クラヴサン・コンセール』から「軽はずみなおしゃべり」ロベルト・シューマン:アラベスク ハ長調 Op.18 クロード・ドビュッシー:前奏曲集第2巻から第10曲「カノープ」 [収録]2017年5月31日 トリノ、リンゴット・コングレス・センター [映像監督]ナディア・ノヴィコヴァ ■2時間25分(番組枠)

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