ベートーヴェン神話「革命家」 Beethoven the Myth The Revolutionary

配信終了:2020年06月19日 23:59

ドキュメンタリー

  • 30分
  • 2016
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ベートーヴェンの何が革命だったのか。最新のベートーヴェン伝記の著者が、楽聖の人と生涯を、ピアノ・ソナタの軌跡とともに追う秀逸な構成のドキュメンタリー。 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827)は、宮廷や教会に雇われずに自立して生きた最初の作曲家でした。それは経済的な意味だけにとどまらず、どんな権力にもおもねることなく、自らの音楽のみに献身した、独立した精神の持ち主だったという意味においてもです。 全6話のドキュメンタリー『ベートーヴェン神話』は、指揮者であり、2009年にはベートーヴェンの伝記本も出版しているヤン・カイエルスをナビゲーターに、作曲家の生涯と人物を、ピアノ・ソナタを軸に追ってゆきます。 ベートーヴェンのピアノ・ソナタは、交響曲・弦楽四重奏曲と並んで、彼の重要なジャンルです。特にピアノ・ソナタは、ボンの少年時代から晩年に至るまで、生涯にわたって書き続けた唯一のジャンルであり、その軌跡を追うことは、ベートーヴェンの創作の変遷を辿ることでもあります。 この番組は「革命家」がテーマ。 18世紀末、フランス革命の時代のヨーロッパで青春時代を過ごしたベートーヴェンは、権力に屈しない革命的な思想を持った青年でした。そしてもちろん、ピアノ音楽で数々の革命を成し遂げた作曲家でもあったのです。俳優が演じるベートーヴェンの独白も交えながら、カメラはウィーンのロプコヴィッツ侯爵邸やシェーンブルン宮殿、チェコのカルロヴィ・ヴァリ(カールスバート)、フラデツ・ナト・モラヴィツィー城、ボンの選帝侯宮殿を巡りながら、ベートーヴェンの「革命」の足跡を追います。 ピアノ・ソナタは、おもに第17番『テンペスト』と第26番『告別』が取り上げられています。 ピアノ・ソナタ第17番ニ短調『テンペスト』Op.31-2は、1802年に書かれた、ベートーヴェンの中期様式の入り口に当たる作品です。耳疾が悪化していた時期で、この年の10月には、有名なハイリゲンシュタットの遺書が書かれるのですが、夏までの創作意欲は旺盛で、Op.30の3曲のヴァイオリン・ソナタやOp.31の3曲のピアノ・ソナタが生まれています。番組中、ピアニストのルドルフ・ブッフビンダーは、第1楽章で、アレグロの基本テンポの中に挿入されるラルゴの即興的なレチタティーヴォの斬新さを指摘しています。 ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調『告別』Op.81aは、中期の最後を飾る作品。1809年、ナポレオン軍の第2次ウィーン包囲により、ベートーヴェンの最大の庇護者で作曲の弟子でもあったルドルフ大公が、兄の皇帝フランツ2世とともにウィーンを離れました。その別離を悲しんで書いたのがこのソナタで、正確には『告別』は第1楽章の標題であり、第2楽章は『不在』、第3楽章が『再会』。翌年ウィーンに戻った大公に献呈されています。 大公には誰よりも多くの作品を献呈していますが、自身の運命を自らの手で切り開く道を選んだ「革命家」ベートーヴェンは、地位としての権力への従属なしに、支援を求めることには躊躇がなかったのです。 [出演]ヤン・カイエルス(指揮者/ベートーヴェン伝記作家)ルドルフ・ブッフビンダー(ピアニスト)イーファ・ゲジーネ・バウアー(文化史家)ウーヴェ・ボーム(俳優/ベートーヴェン役)[監督]トーマス・フォン・シュタインエッカー[制作]2016年 ■字幕/約30分

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