内田光子『モーツァルト:ピアノ協奏曲第13番』 Mozart, Piano Concerto No. 13 in C major, K. 415

配信終了:2020年11月12日 23:59

コンサート

  • 32分
  • 2001
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モーツァルトの女王がモーツァルトの故郷の名門楽団を弾き振り。 表情豊かに自由に羽ばたくモーツァルト演奏の真髄がここに 西洋音楽が日本に入ってから150年足らず。この短い間に指揮者では小澤征爾、そしてピアノでは内田光子という、世界に冠たる現代最高の演奏家が出現したのは驚くべきことです。内田は1980年代から「モーツァルトの女王」と呼ばれるほどの世界的な評価を得ていますが、1986~87年のサントリーホール・オープニング・シリーズにおける、彼女とイギリス室内管弦楽団とのピアノ協奏曲全曲演奏のことを覚えているファンも多いことでしょう。以来この作曲家のチクルスを継続している内田が今回の番組で共演、弾き振りしているのは、モーツァルトの故郷ザルツブルクの室内オーケストラ、カメラータ・ザルツブルク。殊にこの作曲家においては80~90年代、かの巨匠シャーンドル・ヴェーグにとことん鍛えられた名門です。この演奏では部分的に古楽スタイルを採り入れ、硬いバチのティンパニやナチュラルトランペットを使用。 豊かな表情をまじえて繰り出す指揮ぶりが物語るように、内田はモーツァルトのすべてを全身で感じとり、それをピアノにオケに、すべての音へと転化します。そこから隙のないキビキビした流れが生まれ、どんなフレーズもはっきりしたキャラクターやニュアンスで特性づけます。その濃密さが自由に羽ばたくモーツァルトの天才と古典美を余さず描くのです。 モーツァルトは幼少の頃に父と旅をしてヨーロッパ音楽の多様なスタイルを吸収し、青年期のザルツブルクでの宮仕えに嫌気がさした後、史上初のフリー音楽家としてウィーンに定住。自身のコンサートのためにピアノ協奏曲を量産、このジャンルの様式を確立しました。このシンプルで明朗なK.415ハ長調はその初期のものですが、内田&カメラータ・ザルツブルクにかかると第1楽章からモーツァルト特有の唐突な変転を確実にとらえ、聴き手をドキッとさせつつ、壮麗で喜びにあふれた演奏を展開します。作為のない自然な流れの中で転調を繰り返し、思いがけない絶妙な色合いに移り変わっていく第2楽章や、闊達なロンド主題にはさまれた短調部分の悲嘆にくれるような味わいなど、コントラストが鮮やかなフィナーレも聴きものです。 [ピアノ&指揮]内田光子 [管弦楽]カメラータ・ザルツブルク [曲目]ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:ピアノ協奏曲第13番ハ長調K.415(カデンツァはモーツァルトのオリジナルを演奏) [収録]2001年 ザルツブルク モーツァルテウム大ホール [映像監督]ホラント・H・ホールフェルト

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