バレンボイム&WEDO2012『ベートーヴェン:交響曲第7番』 Beethoven, Symphony No. 7 Barenboim/West-Eastern Divan Orchestra

配信終了:2020年11月22日 23:59

コンサート

  • 39分
  • 2001
  • -

イスラエルとパレスチナの若者がひとつの譜面台で隣り合う姿は平和への希望。2012年プロムスに登場したWEDOのベートーヴェン。バレンボイムは音楽に何を託すのか? 紛争の出口が見えないパレスチナ問題の解決は、現代の国際政治の長年の課題です。そのようななか、音楽を通じてその融和を目指すダニエル・バレンボイムが、深い情熱を持って取り組んでいるのが、ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団(WEDO=The West-Eastern Divan Orchestra)の活動です。2012年のBBCプロムスで彼らが行なったベートーヴェン交響曲全曲シリーズから、交響曲第7番の演奏をお届けします アルゼンチン出身のユダヤ人で、イスラエル国籍を持つバレンボイム。中東地域の対話を音楽の世界で実現すべく、友人であるパレスチナ系米国人の文学研究家エドワード・サイード(1935~2003)とともに、1999年にスタートさせたのがWEDOです。イスラエルとパレスチナの若い演奏家たちが、ここでは隣同士に座り、同じ譜面台を覗きながら心をひとつにして音楽と向き合う。WEDOは中東の共存への希望の架け橋です。バレンボイムはWEDOの理念をさらに発展させる形で、2016年にバレンボイム・サイード・アカデミーという音楽学校をベルリンに開校しています。 コンサートが行われた2012年といえばロンドン五輪の年(全曲シリーズの最後『第九』は、オリンピック開会式の当日7月27日の開催でした)。いつにも増して祝祭ムードに包まれたプロムスに、交響曲第7番はじつにふさわしい作品でしょう。リストやワーグナーが「リズムの神化」「舞踏の聖化」と呼んで称賛した、躍動するリズム動機を推進力とする音楽。それが若手奏者主体のWEDOにかかると、さらにいきいきと、生気みなぎるエネルギーのかたまりとなって弾けます。随所で活躍するフルートとオーボエの若い奏者が、大きく身体を動かしながら音楽にのめり込む姿もじつに初々しく、じっさい、百戦錬磨のベテラン・プレーヤーの至芸とはひと味異なるアプローチが聴こえてくるのを感じます。 そんな奏者たちの自発性を尊重するように、バレンボイムの棒はじつに自由。フレキシブルで大きな作りの音楽が、若者たちのフレッシュな演奏に寄り添いながら、しかし進むべき道をはっきりと照らして導きます。全楽章をアタッカで(切れ目なく続けて)演奏する選択も好手。緊張感の持続と、楽章ごとの豊かなコントラストを生んでいます。いつもどおり、コンサートマスターを務めているのはバレンボイムの次男マイケル・バレンボイムです。 [曲目]ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op. 92 [指揮]ダニエル ・バレンボイム [管弦楽]ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団 [収録]2012年7月24日、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール [映像監督]ロドニー・グリーンバーグ

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