バーンスタイン&ウィーン・フィル『ベートーヴェン:交響曲第8番』 BEETHOVEN SYMPHONIE NR.8 IN F DUR OP.93 Bernstein

配信終了:2020年12月13日 23:59

コンサート

  • 3時間19分
  • 1977
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バーンスタインとウィーン・フィルが人類に残した、色褪せることのない20世紀の音楽遺産。妻を失った悲しみも垣間見え、人間バーンスタインのあたたかさも通う映像  レナード・バーンスタイン(1918~1990)がウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と録音した、ライヴ録音によるベートーヴェンの交響曲全集は、20世紀のレコード史の金字塔。1980年のレコード・アカデミー賞大賞にも輝いた名盤です。その録音と同じ演奏会を、ユニテル社が映像で収録していました。こちらも、伝説として語り継がれる、クラシック界の宝物のような記録です。番組ではその中から、1978年11月に収録された、交響曲第8番をお届けします。  1970年代は、バーンスタインの活動の頂点といえる充実した時期です。1969年にニューヨーク・フィルの音楽監督を辞任してヨーロッパでの活動を本格化。いよいよ巨匠への階段を昇りつめていったのが1970年代。1980年には、作曲に専念するために指揮活動を1年間休止。翌年には復帰して、1990年に他界するまでエネルギッシュな活動は続いていましたが、いま振り返ってみれば、最後の10年間は、70年代の絶頂期の残照のようにも感じられます。その黄金時代の後半に、1977年9月の交響曲第5番『運命』から1979年9月の交響曲第9番『合唱』まで、まる2年をかけて完成したのが、このベートーヴェン全集です。  ベートーヴェンの交響曲第8番は、1812年に第7番と並行して作曲されました。初演は1814年2月。同時に初演された第7番のほうに人気があるのはなぜかと聞かれたベートーヴェンが、「第8番のほうが出来がいいから」と答えたと伝えられています。出来がよすぎて、愚かな聴衆にはわからないのだという、悔し紛れの皮肉。ベートーヴェンの苦々しい顔が浮かんでくるような逸話ですが、その言葉を裏付けるように、小規模ながらもじつに洗練された、可憐でスタイリッシュな作品です。  いかにもバーンスタイン好みの作品だと思われるのですが、映像のバーンスタインは、もうひとつ弾けていないというか、やや沈んでさえいるように見受けられます。収録された1978年は、6月に愛妻のフェリシアを亡くした年。バーンスタインの同性愛傾向のために別居期間もあった夫婦生活でしたが、フェリシア夫人への愛は真実でした。そのショックからまだ半年足らず。前後して収録された他の4曲(第4番、第7番、第1番、第6番)では、ほとんどそんなそぶりは見せていませんが、心のどこかに潜んでいる深い悲しみが、ときおり顔をのぞかせるのかもしれません。バーンスタインの人生の記録という側面からも興味深い映像といえるでしょう。  映像監督は、バーンスタインの30年来の友人のハンフリー・バートン。のちに詳細な伝記『バーンスタインの生涯』(青土社刊)も著したTVプロデューサーです。そして録音ディレクターはバーンスタインと200作以上の録音を残したCBSのジョン・マクルーア。バーンスタインが最も信頼するチームとのコラボレーションによる、20世紀の貴重な音楽遺産です。 [演目]ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調 Op.93 [指揮]レナード・バーンスタイン [演奏]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 [収録]1977年11月 ウィーン楽友協会大ホール(ライヴ) [録音ディレクター]ジョン・マクルーア [映像監督]ハンフリー・バートン

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