バレンボイム&ウィーン・フィル定期公演2020「再始動」 SUBSCRIPTION CONCERT - DANIEL BARENBOIM AND THE WIENER PHILHARMONIKER

配信終了:2020年12月31日 23:59

コンサート

  • 1時間15分
  • 2020
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ロックダウン後、ウィーン・フィルの再始動公演! 未来への決意漲る、天国的なモーツァルトと、闘うベートーヴェンの音楽二題 新型コロナ・ウイルスによる世界的パンデミックで、この春ウィーンもロックダウン。約3か月もの活動休止を余儀なくされたウィーン・フィル(VPO)は解除後の6月、ようやく再始動を果たしました。巨匠ダニエル・バレンボイムのピアノと指揮で行われたこの定期公演、ご覧になったすべての方が「我々は変わらず音楽をやる」というVPOのプライドをかけた強い決意を感じ取ることでしょう。プログラムは両者にとって十八番ともいえる伝統のモーツァルトとベートーヴェン。特にベートーヴェン『運命』は休止直前の定期での曲目でしたから、それは尚更です。 彼らは独自の実験の結果を基に、他国の楽団のように舞台上でソーシャル・ディスタンスはとらず、オーケストラの人数は減らさない決断をしました。舞台から距離をとった客席の聴衆は100名。バレンボイムは指揮台に上がるとマスクを外し、コンサートマスターのホーネックと肘タッチをしての開演です。 モーツァルトの音楽を知り抜いた、VPOのふくよかで優しく空を舞う弦と冴えわたる管。それと自ら考案した特製楽器で弾く、粒の立った明るく円い音による大家バレンボイムの細やかなピアノとの対話は、モーツァルト最後の協奏曲がもつ不思議な陰影を浮かび上がらせます。静かにゆったり流れる第2楽章でのピアノの微笑ましい装飾音、そして天上で遊ぶような喜びのロンドへの変転……なんという美しさと儚さでしょう。 この浮世離れした音楽からうって変わり、2曲目はこれぞVPOのベートーヴェンともいえる『運命』! 地にある人間の闘争を描き出します。冒頭「運命の主題」から決然と、遅めのテンポで腹の底からずっしりくる響き。内からすべてを放射しつくす巨匠の指揮はVPO団員全体を統率し、巨視的に曲をつかみつつ細部もゆるがせにせず、魂を激しく揺さぶります。瞑想的で滑らかな第2楽章を経て、第3楽章の不穏なピアニシモのトンネルをくぐると、フィナーレは汲めど尽きせぬ勝利の歌。この巨大なスケールをもつ本作に、まるで「闘い克服するのが人間なのだ」と言われているかのようです。 必見必聴、聴く者一人ひとりの心に大いなる火をともすに違いない演奏であり、スタンディング・オベーションをする観客の感極まる表情も大変印象的です。 [指揮・ピアノ]ダニエル・バレンボイム [管弦楽]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (曲目) モーツァルト: ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595(カデンツァはモーツァルトのオリジナルを演奏) ベートーヴェン: 交響曲第5番ハ短調 Op.68『運命』 [収録]2020年6月5日 ウィーン楽友協会 大ホール [映像監督]アグネス・メス

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