バレンボイム&WEDO2012『ベートーヴェン:交響曲第8番』 BEETHOVEN SYMPHONIE NR.8F DUR OP.93 Barenboim

配信終了:2020年12月20日 23:59

コンサート

  • 30分
  • 2012
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おしゃれでスタイリッシュ! WEDOの若き奏者たちが奏でる可憐なベートーヴェン。2012年ロンドン・オリンピックで湧くプロムスに架かった中東平和の希望の架け橋。  アルゼンチン出身のユダヤ人で、イスラエル国籍を持つ巨匠ダニエル ・バレンボイム(1942~ )が目下最も精力的に取り組んでいるプロジェクトがウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団(WEDO=The West-Eastern Divan Orchestra)です。対立の続く中東地域の対話を、音楽の世界で実現する取り組み。五輪開催に湧いた2012年夏のロンドンのBBCプロムスでWEDOが行なったベートーヴェン交響曲全曲演奏会のなかから、交響曲第8番の演奏の模様をお届けします。1942年からロイヤル・アルバート・ホールで開催されるようになったプロムスで、ベートーヴェンの交響曲全曲演奏会が行なわれるのはこれが初めてでした。  WEDOは、バレンボイムが1999年に、友人であるパレスチナ系米国人の文学研究家エドワード・サイード(1935~2003)とともにスタートさせました。オーケストラ名はゲーテの代表作のひとつ『西東詩集(West-Eastern Divan)』から採られています。メンバーは、イスラエルとパレスチナ出身の、10~40代の音楽家たち。争う国や地域の出身者たちが、隣同士で同じ譜面台を覗いて一緒に演奏することで互いを理解し合えるはずだというのがバレンボイムの理想です。2016年にはこのオーケストラの発展形として、「バレンボイム=サイード・アカデミー」がベルリンにオープンし、イスラエルとパレスチナの若者たち90人が、ともに学んでいます。  2011年にはケルンでベートーヴェンの交響曲全集をライヴ録音しているバレンボイムとWEDO。その1年後、プロムスでの全曲演奏会は、2012年7月に行なわれました。オリンピック開催を記念するプログラムで、『第九』が演奏された最終日7月27日は、オリンピックの開会式の当日でした。  なんとも魅力的なベートーヴェンです。交響曲第7番と並行して作曲され、1814年に同じ演奏会で初演された交響曲第8番は、ベートーヴェンの交響曲のなかでは比較的目立たない存在かもしれません。演奏時間30分に満たない小規模な、古典的なたたずまいの佳曲ですが、けっして前時代に戻った保守的な作風ではなく、非常に洗練された、可憐でスタイリッシュな作品です。そのスマートさを全開で楽しませてくれるのがバレンボイムとWEDO。若い奏者たちの自発性を引き出し、それと戯れるように指揮するバレンボイム。第1楽章の最後を、まったく振らずに終える棒のなんともおしゃれなこと! 思わずため息が出るようなカッコ良さです。バレンボイムの次男マイケル・バレンボイムがコンサートマスターを務める若いオーケストラも、まさに全身全霊で巨匠に応えて、じつにあたたかい気分にさせてくれる秀演です。 [演目]ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:交響曲第8番 ヘ長調 Op.93 [指揮]ダニエル ・バレンボイム [演奏]ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団 [収録]2012年7月24日 ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール [映像監督]ロドニー・グリンバーグ

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