ザルツブルク音楽祭2020「バレンボイム ピアノ・リサイタル」 SALZBURG FESTIVAL 2020: DANIEL BARENBOIM

配信開始:2020年12月06日 06:00

コンサート

  • 1時間40分
  • 2020
  • -

コンサートデビューから70年を迎えたバレンボイムが、ピアニストとしてザルツブルク音楽祭に登場。「2020年」が反映されたベートーヴェンのソナタ第31番とディアベッリ変奏曲を。  2020年、世界中が新型コロナウイルスの影響を受け、夏の風物詩だった多くの音楽祭が休止に追い込まれました。しかし、今年創立100年を迎えたザルツブルク音楽祭は、さまざまな制限の中で開催に至りました。その精神を象徴するかのような演奏会が、生誕250年のベートーヴェンの後期の作品による、ダニエル・バレンボイムのピアノ・リサイタルです。  最初のソナタ第31番は圧巻の演奏。というのも、ここでバレンボイムがとった表現は、流麗さとは無縁、どのメロディも訥々とした流れで、いびつになることも厭わず、あたかも苦しみをかかえながら歌っているかのよう。これは衰えではなく、バレンボイムによる、世界的な苦難に襲われた2020年の夏だからこその心からの表現でしょう。ベートーヴェン後期の心からの歌に満ちた名作、しかも「嘆きの歌」と書かれた場面をもつ第31番で、こんな表現の可能性があるとは。まさに音楽は生きている、時代を反映する。深く考えさせられる体験になることでしょう。  次はディアベッリ変奏曲。ディアベッリの書いた主題の変奏という課題に取り組むうちに、膨大な変奏のインスピレーションが湧き出てしまった、特殊な大作です。バレンボイムは前の曲とは一転して、いたって安定した端正なスタイルで構築し、深みのある音色と表現で各変奏の持ち味を発揮していきます。楽しい変奏は小粋に、沈滞する場面はどこまでも深く、最後まで落ち着きをもって丹念な演奏を聴かせてくれます。  そして、終演後には音楽祭からバレンボイムへのお祝いのステージに。バレンボイムは1950年8月19日にブエノスアイレスで初のコンサートを行いました。すなわちこのステージはデビュー70年の日であり、そのお祝いと、音楽祭への貢献が称えられ、惜しみない拍手が送られます。 [演目] ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調Op. 110 アントン・ディアベッリの主題による33の変奏曲 ハ長調Op. 120 [演奏]ダニエル・バレンボイム (ピアノ) [収録]2020年8月19日 ザルツブルク祝祭大劇場 [映像監督]エリーザベト・メルツァー

おすすめ