コチャノフスキー&パリ管「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲集」Vol.1 WEEK END RACHMANINOV - CONCERT 1

配信終了:2021年02月01日 23:59

コンサート

  • 1時間35分
  • 2019
  • -

ロシア・ピアニズムの伝統を継承する現役ピアニストの最右翼と、ロシア指揮界期待の俊英! 濃厚にむせぶラフマニノフのロマンティシズムをたぐりよせる


 2019年4月27日(土)と28日(日)の週末。パリのシテ・ド・ラ・ミュジクの新しいコンサートホール、フィルモニー・ド・パリでは、セルゲイ・ラフマニノフの4曲のピアノ協奏曲全曲を中心に、『パガニーニの主題による狂詩曲』や合唱曲、室内楽曲を併せた「ウィークエンド・ラフマニノフ」が開催されました。プログラムのメインである協奏曲では、ロシア音楽界期待のスタニスラフ・コチャノフスキーが指揮するパリ管弦楽団が、70年代生まれと90年代生まれの2世代3人のトップ・ピアニストたちをソリストに迎えた豪華プログラム。番組ではその1日目、デニス・マツーエフが、圧巻のピアノ協奏曲第3番、第4番を披露したコンサートの模様をお届けします。
 2020年11月にワレリー・ゲルギエフ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とともにコロナ禍のなかで敢行した来日公演も記憶に新しいデニス・マツーエフ。1975年生まれの彼がチャイコフスキー国際コンクールに優勝したのは1998年、23歳になったばかりの時でした。番組の収録当時43歳。鋭角的な響きで楽器を鳴らし切る圧倒的なテクニックと濃厚な表現はいよいよ円熟の域に突入した観があります。ロシア・ピアニズムの伝統を現代に継承するピアニストの一番手として、演奏はもちろん、音楽祭をプロデュースしたり、2019年にはチャイコフスキー・コンクールの審査委員長を務めたりと、縦横無尽に活躍中であるのはご存知のとおりです。
 この2曲のラフマニノフの協奏曲でも、鬼気迫る迫力のフォルティッシモから繊細きわまるタッチのピアニッシモまで、多彩な表現は圧倒的です。いつもながら、作品と魂が同化するような熱い弾きっぷりはまさに「全集中」。画面を通してひしひしと伝わってくるそのエネルギーが、深い共感を呼びます。
 ラフマニノフの4曲のピアノ協奏曲のなかで、出世作でもある第2番と並んで人気のあるのが第3番。13歳の頃からこの曲を弾いているというマツーエフにとっても、自ら「名刺代わり」と呼ぶ、彼の血肉になっているような作品です。一方、それに比べると演奏頻度の少ない第4番ですが、4曲中で最もスケールが大きく、切れ味が鋭いのはこの作品でしょう。米国に亡命してからのラフマニノフが残した数少ない作品の一つです。
 指揮者のスタニスラフ・コチャノフスキーは1981年生まれですから、グスターボ・ドゥダメルと同い年。サンクトペテルブルク生まれのロシア期待の星で、地元のミハイロフスキー劇場(マールイ劇場)でみっちり経験を積んだ彼は目下、欧米のオペラ劇場やオーケストラの指揮台を次々と制覇している注目株です。2016年にはNHK交響楽団に客演して初来日。ここでの演奏でもパリ管弦楽団の豊かな色彩を的確に引き出して、濃厚なラフマニノフを聴かせくれるので思わずにんまり。カメラが捉える演奏中の表情からも、誇張のない、真摯で自然なアプローチの音楽作りをする音楽家であることがよくわかります。今後も目が離せない指揮者の一人でしょう。ヴァイオリンのトップサイドには日本人副コンサートマスターの千々岩英一さんの顔も見えます。

[曲目]セルゲイ・ラフマニノフ:
交響詩『岩』op.7
ピアノ協奏曲第4番ト短調op.40
ピアノ協奏曲第3番ニ短調op.30
音の絵(絵画的練習曲)op.39より第2曲イ短調(アンコール)
[ピアノ]デニス・マツーエフ
[指揮]スタニスラフ・コチャノフスキー
[管弦楽]パリ管弦楽団

[収録]2019年4月27日、フィルハーモニー・ド・パリ
[映像監督]イサベル・スラール

■字幕/01:31:50

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