シフのレクチャーコンサート「バッハ:ゴルトベルク変奏曲」 Bach, Goldberg Variations - Lecture Concert Sir Andras Schiff - English

配信終了:2021年02月02日 23:59

コンサート

  • 2時間20分
  • 2018
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これぞ鍵盤芸術の粋!まるで人生のような「ゴルトベルク変奏曲」の道を示す、現代最高のピアニストによるレクチャー・コンサート


J.S.バッハの「ゴルトベルク変奏曲」は古今東西の変奏曲の中でも最高峰、ベートーヴェンはじめ、後の作曲家にも絶大な影響を与えた1曲です。この曲について、現代最高のピアニストのひとり、殊にバッハ演奏については歴史的な演奏家といえるサー・アンドラーシュ・シフがレクチャー・コンサートを行う……まさに鍵盤芸術の粋を目の当たりにできるのが当番組です。
前半にレクチャー&演奏、後半に全曲演奏をする構成。その前半は、「ゴルトベルク変奏曲」の成り立ちについての言い伝えから、最初のアリアのベースラインがすべての基になって全体がカテドラルのような音の殿堂となっていく構成について、また全曲がト長調とト短調でできている話などから始まります。変奏が30あること、3曲ずつ組になって構成されていること(その3つめにカノンがくる)など、「3」という数字が音楽はもとより多くの文化にとって大事な数字であるという指摘も面白く、要所で語られる「偉大な音楽は楽器を超える」「ピアノは打楽器ではなく、人間の声で歌うように弾くべきだ」というような金言も胸にしみます。1つ1つの変奏のスタイルや音構造を端的に分析的に語りつつも、機知の富んだジョークも交えたレクチャーは実にユニーク。さらに、その後の全曲演奏はそれらを100%以上に反映して圧巻です。
結晶のように純粋なタッチ、深く静かな音。シフが長い年月をかけて探求・研究し練りあげた演奏は、秩序と自発的な自由の双方を高度に実現し、この変奏曲がもつ広大な宇宙的な高みと深さを開陳していきます。各声部の弾き分けも驚異的で、1人で演奏しているのに複数の人が一斉に弾き、どの旋律も自由に走っていくかのよう。
そして舞曲の総合体であるこの変奏曲は、まるで山あり谷ありの人生のようで、それらを経た後に円環を閉じる最後のアリアは冒頭のものと同じであるにも関わらず、まったく違う風景に見えてくる不思議。シフは憑かれたようにただその世界の流れの中に没入しているようで、実はそのすべてを冷静にコントロールしている……畏敬の念を抱かざるをえない素晴らしさです。





[演奏]サー・アンドラーシュ・シフ(レクチャー、ピアノ)
[曲目]ヨハン・セバスティアン・バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988

[収録日]2017年6月 ベルリン、ピエール・ブーレーズ・ザール
[映像監督]エリック・シュルツ

■字幕/02:17:09

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