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「クラシカ・ジャパン プラス」は2021年3月31日(水)を持ちまして配信を終了することとなりました。 詳しくはホームページよりご確認ください。

ザルツブルク音楽祭2020「ネルソンス&ウィーン・フィル」 Salzburg Festival 2020 Nelsons Wiener Philharmoniker Mahler Symphony No6 in A minor

配信終了:2021年03月31日 23:59

コンサート

  • 1時間30分
  • 2020
  • -

現在ウィーン・フィルが最も信頼を置く指揮者筆頭のネルソンスが、コロナ禍のザルツブルク祝祭劇場に詰めかけたファンと紡ぎ上げた、緊張感みなぎるマーラー『悲劇的』


 記念すべき創立100周年を新型コロナウイルス流行の脅威のなかで迎えた2020年のザルツブルク音楽祭。番組では、アンドリス・ネルソンスがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したマーラーの交響曲第6番『悲劇的』のコンサート映像をお届けします。
 音楽祭のホスト役であるウィーン・フィル。ネルソンスとの最近の蜜月ぶりを見れば、100周年のパートナーとして彼が登場するのは必然のように思えます。ネルソンスとウィーン・フィルは、ベートーヴェン生誕250周年に合わせてドイツグラモフォンからベートーヴェンの交響曲全集をリリース。日本のレコード・アカデミー賞の大賞銅賞を獲得するなど高い評価を得ました。2020年のニューイヤー・コンサートを指揮したのもネルソンスです。ネルソンスは、現在ボストン交響楽団音楽監督とライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターを兼任するラトヴィア出身の42歳。現代の指揮者界を牽引する第一グループの一人です。両者のマーラーは、2018年のザルツブルク音楽祭での第2番『復活』以来2度目の演奏でした。ちなみにネルソンスは、2015年のザルツブルク音楽祭でも、ボストン交響楽団と第6番を演奏しています。
 マーラーの交響曲第6番は1903年から1904年にかけて作曲され、1906年5月にドイツのエッセンで、マーラー自身の指揮により初演されました。『悲劇的』という副題は、翌1907年1月にマーラーが指揮したウィーン初演のプログラムに初めて掲載されています。マーラーの命名かどうかは不明ですが、自身が指揮した公演ですから、少なくとも承認はしていたのではないかと考えられています。しかしそれは、同時期に作曲した歌曲集『亡き子をしのぶ歌』とともに、マーラーの実人生の悲劇を暗示することになってしまいます。1897年に37歳でウィーン宮廷歌劇場の芸術監督に就任したマーラーは、1902年にアルマと結婚、すぐに長女マリア・アンナが、2年後には次女アンナが生まれ、公私ともに絶頂期を迎えていました。ところが1907年の夏に長女マリア・アンナが病気で夭折。自身も心臓病と診断され、さらには悪化していた宮廷歌劇場との関係が表面化し、秋には辞任を余儀なくされてしまうのです。第1楽章冒頭を「死の行進曲」とたとえたのはバーンスタインですが、聴き手はそこに、マーラー自身の暗い宿命を嗅ぎ取らざるを得ません。
 なお近年、この作品の第2楽章と第3楽章の演奏順について解釈が分かれており、国際マーラー協会では「第2楽章アンダンテ-第3楽章スケルツォ」という見解を支持していますが、ここでは初稿どおり、「第2楽章スケルツォ-第3楽章アンダンテ」の順で演奏しています。また、この曲の見どころである巨大なハンマーによる「運命の打撃」は、(「3回」ではなく)一般的な通例に沿って「2回」振り下ろされます。
 そのハンマーの使用による視覚的な演出効果などもある作品ですが、ネルソンスはけっしてそれをこけおどし的に誇張したりせず、クールかつ丁寧に音楽をキープ。それでいてかたときも情感を失うことのない音楽作りで聴き手を魅了します。断末魔の叫びのような金管の最後の和音がティンパニの連打とともに消えて曲を結んだあとの長い静寂。客席も一体となった緊張感が伝わる、素敵なコンサート映像です。


[演奏]
アンドリス・ネルソンス(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

[曲目]
グスタフ・マーラー:交響曲第6番イ短調『悲劇的』

[収録]2020年8月7日、9日 ザルツブルク祝祭大劇場、ザルツブルク音楽祭ライヴ
[映像監督]ウテ・フォイデル

キャスト

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スタッフ

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