ゼンパーオーパー・バレエ『くるみ割り人形』 The Nutcracker

配信開始:2020年12月06日 06:00

バレエ

  • 1時間40分
  • 2011
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音に陶酔、踊りに魅せられ、伝統と新鮮が合一する舞台。ヨーロッパの古都ドレスデンならではの品格と、美しき喜びの精彩を放つ「くるみ割り人形」 クリスマスの楽しみの一つ、バレエ「くるみ割り人形」。当番組は、2011年にドレスデンのゼンパーオーパーで行われた上演です。まず特筆すべきは、この古くからの名門オペラハウスが誇るオーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデンの演奏。柔らかい厚みのある弦楽器、冴えた管楽器が織りなす澄んだ響きが活き活きと、ダンサー顔負けの精彩を放ち、耳を釘付けにします。そしてドレスデンのランドマーク、ツヴィンガー宮殿やクリスマス市のシュトリーツェルマルクトをイメージした舞台美術、さらにロシアとはまた肌合いの違うヨーロッパ調のドレスの色彩には品格が際立ち、目を楽しませてくれます。 もちろんダンサーたちの踊りは素晴らしく、特にモミ林での雪のワルツの幻想的な美しさ、お菓子の国での個性的なディヴェルティスマン――カンフーのような中国の踊り、コサック的なロシアの踊り、心浮き立つ軽やかなあし笛の踊りなど、愉しさ満点。なかでも、くるみ割りの王子役シモンとマリー役のメルクロヴァによる花のワルツは最高の一言。しなやかな肢体をいっぱいに広げ、2人の喜びが溢れんばかりの踊りは、のびやかかつスピーディで、回転のキレ、ジャンプの高さなど、その高い技術は爽快感さえ感じさせます。こんぺい糖の精を日本の竹島由美子が踊り、細密な足の技とともに端麗なダンスを観られるのも嬉しいところ。 アーロン・S.ワトキンとジェイソン・ビーチー(随所に出る子役たちが学ぶ、ドレスデンの名門パルッカ・バレエシューレの校長)による振付は、クラシック・バレエ伝統を尊重した上で、モダンなテイストを無理なく採り入れたもの。また、主役の名を西洋におけるクララやロシアでのマーシャではなく、マリーとクレジットしているところや、ラストで少女マリーが目覚めたときに「これまでのことは夢ではない」と母親に主張するシーンなど、いくつかの部分において、かつてドレスデンに住んでいたE.T.A.ホフマンの原作を活かしたものになっており、その点も注目したい舞台です。 [出演]アンナ・メルクロヴァ(マリー(大人))イシュトヴァン・シモン(くるみ割り人形/王子)オレグ・クリィミュク(ドロッセルマイヤー)クラウディオ・カンジアローシ(ねずみの王)竹島 由美子(こんぺい糖の精)イリ・ブベニチェク(こんぺい糖の精の夫君) ユリア・ワイス(雪の女王)リディア・ヤーン(マリー(少女))ミシェル・フィリップ・ヴェーバー(フリッツ)イザベラ・タウフキルヒ(ルイーズ) ユリア・ワイス、ローラン・ギルボー、ドゥオシー・ジュウ、マイケル・タッカー、モニカ・タルダグイラ、ヨハネス・シュミット(スペインの踊り)イェンニ・シェファーホフ、ラン・マーダー、ボリス・リシール(アラビアの踊り)ホン・ヴァイェーホ、ハンナ・マクドナルド、アニサ・シンテラル=スコット(中国の踊り)ファビアン・ヴォランジェ、ヤン・オラティンスキー、フランチェスコ・ピオ・リッチ(ロシアの踊り)サラ・ヘイ、キャロライン・ビーチ、小笠原由紀、カルメン・ピケーラス、ブリオニー・ヴィール(あし笛の踊り)エマニュエル・コルシーニ、ソフィア・クラウツィグ、アンナ・ハーツ、エマ・マリ・オーテル、シャーロット・アーバン、アレクサ・ヘイズ、ジャスティン・ラダー、アメリー・ブッホーン(ジゴーニュ小母さんと道化たち)、ゼンパーオーパー・バレエ [振付]アーロン・S.ワトキン(第1幕第3場、第2幕のバレエ団の振付)ジェイソン・ビーチー(プロローグ、第1幕第1、2場、第2幕の子供たちの振付)[音楽]ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー: バレエ『くるみ割り人形』Op.71[台本]E.T.A.ホフマン/ マリウス・プティパ[装置・衣装]ロベルタ・グイディ・バーニョ[照明]マルコ・フィリベック[指揮]ヴェロ・パーン[演奏]シュターツカペレ・ドレスデン、ドレスデン・フィルハーモニー児童合唱団[合唱指揮]ユルゲン・ベッカー[収録]2011年12月14日 ゼンパーオーパー(ドレスデン)[映像監督] ヨアヒム・ヤッケル ■全2幕:約1時間37分

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