ウェルザー=メスト「カウフマンのこうもり」 New Year's Eve Concert from Dresden - Die Fledermaus

配信開始:2020年12月07日 06:00

オペラ

  • 1時間25分
  • 2018
  • -

恒例のドレスデン大晦日公演。2019年はティーレマンがお休みでウェルザー=メストの『こうもり』。カウフマン、クールマンは喜劇でもすごい!注目の新星も登場! 2010年からずっとクリスティアン・ティーレマンが指揮してきたシュターツカペレ・ドレスデンのジルヴェスター(大晦日)コンサート。しかし2018年は、彼がウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートを指揮することになったため、代わりにフランツ・ウェルザー=メストが、ヨハン・シュトラウスII世の『こうもり』を指揮することになりました。年末の雰囲気あふれる公演をご覧ください。 ヨハン・シュトラウスⅡ世の『こうもり』は、大晦日から元旦にかけての騒動を描いた物語であるため、ウィーン国立歌劇場をはじめ、ドイツ語圏の劇場では年末年始の定番の演目としているところが少なくありません。一方、ドレスデンでのティーレマンのジルヴェスター・コンサートも、オペレッタのコンサート上演や、オペレッタ・ナンバーによるガラ・コンサートであることが多いため、ここでの『こうもり』は、まさに「待ってました!」の演目。しかも、カラヤン以来のオーストリア出身指揮者として、2014年の電撃辞任までウィーン国立歌劇場音楽監督を務めていたウェルザー=メスト。DNAにオペレッタが組み込まれたウィーンゆかりの指揮者の起用は、考えられる最高の人選といえるでしょう。 そして何と言っても充実の歌手陣。世界的なスター・テノールのヨナス・カウフマンが中央にでんと構えているだけでもうれしいキャスティングといえます。彼のアイゼンシュタイン役はこれがロール・デビュー。しかしヒーローや二枚目でなくてもカウフマンはカウフマンでした。声がかっこよすぎます。白眉は第3幕で弁護士役に変装したコミカルな演技から、正体を明かしたときの堂々たる変わりようでしょうか。浮気者のアイゼンシュタインが、まるで愛と正義のために戦う英雄のように見えてくるはずです。 そしてもう一人、アデーレを歌っているドイツ人ソプラノ、ニコラ・ヒレブラントにも注目です。じつは公演当日のプログラムには別の歌手の名前があったので、急遽の代役だったのでしょう。マンハイム国立劇場の専属アンサンブルからスタートした、まだキャリア数年の新人ですが、可愛らしく華のある軽やかなコロラトゥーラです。最初の登場人物として彼女が出てきた瞬間から、目と耳が引き寄せられます。これからの活躍に目が離せません。 オーケストラも舞台上で演奏するコンサート形式ですが、歌手たちはただ突っ立って歌うのではなく、最小限の衣裳をつけ、小道具の時計やシャンパンも用いて、動きのあるセミ・ステージ形式のような上演。そして、演奏会形式とはいえ、やはり伝統的な馬蹄形の歌劇場での上演には、コンサートホールとは違った趣きが感じられます。 上演はセリフなしの音楽のみ。ですから、通常の上演では看守フロッシュが軽妙な芝居を見せる、第3幕冒頭の刑務所シーンは登場しません。さらに音楽も、ところどころを巧みにカットしてあり、音楽的にもドラマ的にも無理なくまとめ上げています。 演奏後のカーテンコール。客席から湧き上がった大きな拍手に応えながら、ウェルザー=メストが小道具のシャンパンを瓶からラッパ飲みしますが、その表情からすると、どうやら中身は水だった模様。シリアスな印象のウェルザー=メストの、そんな意外な一面が垣間見られるのもオペレッタならでは。あるいはフィナーレの歌詞のとおり、すべてはシャンパンのせい。素敵な大晦日コンサートです。 [出演]ヨナス・カウフマン(アイゼンシュタイン/テノール)レイチェル・ウィリス=ソレンセン(ロザリンデ/ソプラノ)エリーザベト・クールマン(オルロフスキー公爵/メゾ・ソプラノ)アンドレアス・シャーガー(アルフレード/テノール)ニコラ・ヒレブラント(アデーレ/ソプラノ)セバスティアン・ヴァルティヒ(ファルケ博士/バリトン)ミヒャエル・クラウス(フランク/バリトン)ターネー・ニボロ(イーダ/ソプラノ)キム・ビョンミン(ブリント弁護士/テノール) [演目]ヨハン・シュトラウスⅡ世:喜歌劇『こうもり』(全3幕/演奏会形式) [指揮]フランツ・ウェルザー=メスト [演奏]シュターツカペレ・ドレスデン及び同合唱団 [合唱指揮]コーネリウス・フォルケ[収録]2018年12月30日、ゼンパー・オーパー(ドレスデン)[映像監督]アンディ・ゾマー ■全3幕:約1時間24分

おすすめ